「トータルホワイトニング」という治療法は、ホームホワイトニングやオフィスホワイトニングほど馴染みある治療法ではありませんでした。 では なぜ今トータルホワイトニングなのでしょうか? まず山本歯科医院で実際に行っている「トータルホワイトニング」を一口で説明すると、臨床効果が認定されたオフィスホワイトニングを最初に施術し、ついでホームホワイトニングを継続する、という2つのホワイトニングシステムを活用した治療法のことです。
なぜ 2種類のホワイトニングを重ねて行うトータルホワイトニングの方が単独法よりも遥かに大きなメリットがあるのでしょうか?
ふつうは1種類のやり方の方が単純で費用も安く済むのではないか?と思います。ホワイトニングのページでも述べましたが、ホームホワイトニングは費用が安いですが歯が白くなるのに多くの時間がかかりすぎて忙しい方にはなかなか難しいことも少なくないようです。ただしホームホワイトニングの利点はいったん頑張って白くした歯の色は元に戻りにくく、白さの永続性が高いことでした。オフィスホワイトニングでは、薬剤のコストが非常に高いことと専門スタッフの人件費で治療費が高いですが、わずか45分~60分間の治療でもかなり歯を白くさせることが可能です。(平均でSGUアップ8ランクが期待できます)しかし、オフィスホワイトニングは歯の表層のホワイトニング効果が主効果であるため、歯内部の着色度が強いと効果は限定される上に、色の戻りも早く私のホワイトニングの師匠近藤隆一先生からも“インスタントホワイトニング”と揶揄されていた時期がありました。
つまり、両者ともに利点と欠点をもっていた治療法だったのです。ですからこの両者の欠点を補い合って短期間で効果的なホワイトニングを行うと考えるとオフィスホワイトニング+ホームホワイトニングは最強のタッグが組めると考えるのは自然ですね。
しかし、こうしたやや刹那的な要望とは別にもっと我々の健康面への配慮で大切なことがわかってきたのです。
それは、ホワイトニング剤の主作用を担っているフリーラジカルの動態が少しわかってきたのです。それによって、体への安全性に関する科学的な分析が進んできました。ホームホワイトニングは終了するまでに長い期間を要する必要があるという問題点があり、この期間中に体内にフリーラジカルを過剰に摂取してしまうという懸念が浮き彫りにされてきました。フリーラジカルはアンチエイジングを唱える医者や患者様から目の敵にされている物質で“体の老化”を促す物質とされています。できれば体の中に取り込みたくないと考えられているものです。ホームホワイトニングはホワイトニング治療を行うならば、永続性を確立するために必須な治療になります(ホワイトニングページ参照)が、できればこの影響を無くすか最小限に留めるために治療に要する日数を最短期間にする必要性が指摘されてくるようになりました。
ホームホワイトニングは時間がかかる!しかし、それを短期間で終了させるには・・・?
この一見矛盾した条件をクリアできるものがありました。それが、施術の最初の行う有効なオフィスホワイトニングだったのです。オフィスホワイトニングで最初に歯をホワイトニングしてしまうと、その後に行うホームホワイトニングの治療期間が1/2~1/3へ減ることが、山本歯科医院による臨床経験により明らかになりました。
トータルホワイトニングにより2種類のホワイトニングを施術することは体への害を最小限にすることで安全性を高め、しかも治療効果が非常に高い上に白さの永続性も高まるという、お互いに補完的な関係にあることがわかってきたのです。我々歯科医師が患者様のご健康を大切にしたい!と願うのは当然です。このトータルホワイトニングはこれまでのホワイトニングの歴史の中で、治療効果を落とさずに最も体への安全性が高い治療法だということになります。
「早く 楽に 白くなりたい」という患者様の要望に、「より安全に」という保証を加えることができるようになって、エステやサロン業界で行われているホワイトニングとは異なり、非常に安全性が高く施術できるようになったことは、歯科界として誇りに思えると同時に患者様の命と健康を守るという医師としての基本的立場を確立できたという自負を感じております。
※SGU 色差 基準となるシェードガイドという色の見本で比較し、明度の向上を示す基準です。