医者の矜持 

 従来のホワイトニング治療法はまるでコスメのようでした。科学的なデータに裏打ちされた医学でなく、いわゆる化粧であったわけで「按配」「流行」「個性」「流儀」「好み」・・・によって、決まっていて治療の根拠がない有様でした。

 ホワイトニング本国米国においても、ホワイトニングが真面目に歯科治療と考えられているとは思えませんでした。ある著名な米国の開業医は「ホワイトニングは川下の治療である」と言い切っていました。彼の言い分は、ホワイトニングは「セラミックなどの高額な治療」を患者にサービスするための前準備に過ぎない、という位置付けでした。ですからある程度やって何となく患者様に満足してもらえればそれで良かったわけです。きっちりと色を合わせたり、審美的な基準に近づけたりすることはホワイトニングで行うことではなく、他の処置に委ねるのである!という見下されたものでした。ホワイトニングだけで審美的な治療の成果が出てしまってはまずかったわけです。ですからホワイトニング治療の中身や質を高めたり、治療前の診断を要するというコンセプトが初めからなかったのだろうと思います。

 ホワイトニングは確かに制限の多い治療法だということはわかりますが、活用すれば歯を削ることなく審美的な効果を得られるという、非常に素晴らしい内容を含んでいることで、私はこういう米国流の考え方には反対です。患者さんをもっと大切にするべきだと思いました。

 このように米国式ホワイトニングによって、術式だけがはびこっているけれど、治療の体裁をなしていないまま臨床の中に広まっていることを、どうやって一般歯科医学の中に取り込んでいき、患者様にとってご満足できる形にするかが課題でした。

私は、まず最初に補綴学的な解析をおこない「生活歯ホワイトニング診断法」を提起しました。またホワイトニングの予知性に関し、「顔を美しく魅せる」ことを主眼に「目と歯の白さの対比」という審美基準を再確認するに至りました。また理想的な安全域を頭に入れた上で、最も効率的に―すなわち安全にホワイトニングする方法を実行することが医師の務めであると考え今日のリメイクしたトータルホワイトニングを導きだしました。

早く 楽に 安全に 白くなりたい を実現できるようになりました!